アトピー性皮膚炎と乾癬とのそれぞれの皮膚病巣に存在する肥満細胞の違い

アトピー性皮膚炎と乾癬とのそれぞれの皮膚病巣に存在する肥満細胞の違い

アトピー性皮膚炎とは異なり、乾癬病巣に存在する肥満細胞は
トリプターゼ陽性でビクニン陰性である。

そういう報告だが、これはどういう意味を持つのだろうか?

The presence of tryptase-positive and bikunin-negative mast cells in psoriatic skin lesions
Journal Archives of Dermatological Research
Published online: 5 December 2006



トリプターゼとは肥満細胞が産生するセリンプロテアーゼで、炎症を起こす物質のひとつである。
蛋白分解酵素であるから過剰に存在すれば組織に良くないし、
さまざまなほかの分子を活性化することも考えられる。

一方、ビクニンという分子はそのトリプターゼの機能を阻害する物質である。
このビクニンは表皮細胞が産生することは知られていたが、
皮膚炎などの病巣で実際にどこで産生されるかはわかっていなかったので、
いくつかの皮膚の炎症病巣で検討したのが今回の結果である。

結果はシンプルで、アトピー性皮膚炎や慢性炎症では
肥満細胞はつねにトリプターゼとビクニンの両方を発現していた。
ところが乾癬病巣では肥満細胞はトリプターゼ陽性でビクニン陰性のものが多かったというのである。

このメカニズムを探るために筆者らはHMC-1という肥満細胞系列の細胞株で実験を行っている。
HMC-1ではビクニンの発現が常に認められているが、

この細胞の培養系に
Th2方のT細胞が産生するIL-4、つまりアレルギー方向に誘導するサイトカインを添加すると
ビクニンの発現が上昇したのに対し、

Th1型のT細胞が産生するIFN-γ、つまり炎症を誘導するサイトカインを添加すると
ビクニンの発現が抑えられたというのである。


乾癬は自己免疫疾患のひとつと考えられており、患者さんの免疫系はTh1優位な状態にある。
おそらくその免疫環境が乾癬の病巣における
特殊な肥満細胞の状態を生み出しているのであろうということであった。
これはすでに病態が治療によって改善した場合でも同様であることから、
乾癬の病気の本体は病巣を常にTh1有意に持っていこうとしているものであると思われた。



で、アトピー性皮膚炎の研究とどう関係するかというと、今回はあまり関係ない。
あくまでも乾癬の研究の出しに使われただけである。

お粗末さまでした。ぺこ <(_ _)>
posted by atopymouse at 22:44 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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乾癬・尋常性乾癬の治療
Excerpt: 乾癬患者の殆どが尋常性乾癬です、尋常性乾癬は慢性で、繰り返し再発する皮膚の病気です、盛り上がった赤い皮疹(紅斑)が1つまたは複数できます、乾癬(尋常性乾癬)は通常痒みが少なく、乾癬(尋常性乾癬)は突然..
Weblog: 乾癬という病気に付いて
Tracked: 2007-01-29 16:32
脱ステロイド療法


「脱ステロイド」の本来の意味とは、アトピー性皮膚炎の症状が改善傾向にないのに現在治療に使用中のステロイド外用剤を中止して、ステロイド外用剤を使用せずにアトピー性皮膚炎の症状をコントロールする方法のことである(そのため、症状が改善してきたためステロイド外用剤を中止して経過をみるという行為は、「脱ステロイド」と称するのは不適切であろう)。
ステロイド外用剤は非常に高い有効性を持つ薬剤であるが、特に重症例では正しく医師の指導の下に使用していても十分に症状を抑えられない例や、長期の連用により皮膚萎縮、接触性皮膚炎、二次感染といった副作用をきたす例が存在する[18](ステロイド皮膚症の項参照)。 このような症例において副作用から脱却したり、ほかの治療法を模索するといった過程で脱ステロイド療法が行われることがあり、実際にそのようなケースに限ってはステロイド剤の中止が有効であったという報告もある。
しかし当然ながら、このような治療法に踏み切るためには、現在のステロイド外用剤による治療が効果をもたらしていないのかを慎重に判断する必要がある。

一方で「脱ステロイド」という言葉がアトピービジネスにおいて多々使用されることがある。その理由であるが、アトピービジネスは、他の科学根拠のない代替療法を勧めるため、「ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎を悪化させる」「ステロイド外用剤のリバウンドが続いている」「ステロイドを使用した年月に比例して治療に時間がかかる」「病変部から<毒>が排出されているので湿疹は好転反応である」などの独自理論を説明し、ステロイド剤に対して恐怖を煽り、ステロイド剤を中止させようとする場合が多いためである。
さらに自然主義的観点からプロトピックの使用も是としないことが多い(脱プロトピック)。当然これらの主張に医学的な根拠は無い。このような業者に脱ステロイド療法(およびそのビジネス独自の療法)を指示されて極端に悪化し、かゆみが強く夜も眠れないなど生活に支障をきたしたり、ひどい場合緊急入院という結果となる症例が多数発生し続けている。
少数ながら合併症による死亡例もある。また、アトピービジネスやマスコミによるステロイド剤の恐怖などの誇張した宣伝の結果、治療が難航している患者が自己判断で「脱ステロイド」を行い、症状が急激に悪化するという悲劇的な2次的被害もみられる。一時期、社会問題になったこともあった。

以上のように科学的根拠のないステロイド害悪論に基づいた「脱ステロイド」は危険であり、実施するに当たっては実際の病態がステロイドの副作用によってもたらされているのかを多数の医師とよく相談して判断した方が良い。その際、プロトピック軟膏やPUVA療法、シクロスポリンといった他の治療に切り替えながら様子をみることが多いので、それに関しても医師と十分に相談すべきである。

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