アトピー性皮膚炎と食物アレルギー(小児における)の重症度に、 サイトカイン関係の遺伝子の一塩基多型が及ぼす影響について

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー(小児における)の重症度に、
サイトカイン関係の遺伝子の一塩基多型が及ぼす影響について

Pediatric Allergy and Immunology
Volume 17 Page 583 - December 2006
doi:10.1111/j.1399-3038.2006.00463.x
Volume 17 Issue 8

一塩基多型に関する数多くの研究から、アレルギー疾患と血中総IgE値の関連は指摘されて来たが、
アレルギー疾患発症に関してはいまだほとんど明らかにされていない。
特に一つの遺伝子がアトピー性疾患のどれかに絡むという報告は少ない。

この理由の一つに、アレルギー性疾患が遺伝子の問題だけでなく、
環境の問題も影響して発症するという事実が追求されていないことがある。
この論文では、遺伝子のSNPを環境問題と組み合わせて検討している。

ここではインターロイキン4、インターロイキン4受容体、Fcε受容体、STAT6の4遺伝子と、
抑制性のサイトカインであるインターロイキン10、IgE産生の関係を
食物アレルギー患者とアトピー性皮膚炎患者で検討している。

さらに、それに加えて環境因子として患者の生活態度、室内環境などについても検索している。


結果として、IL-10産生が低下するIL-10AAというSNPが血清IgE高値と関連すること
肝機能異常が食物アレルギー、アトピー性皮膚炎の両者と関連することが示唆されている。



以上のことから、アレルギー疾患発症にどのような因子がかかわるのかについては
一つの遺伝子に注目するのではなく、
様々な因子に関して検討、比較することが重要であることがわかる。

この場合のIL-10はまだ説明がつきやすいが、肝機能異常に関しては
これがアレルギー疾患の発症の基礎疾患としてあるのか、
それとも疾患による結果なのかについてはまだわからない。

この辺は動物実験での検討が必要であろう。
posted by atopymouse at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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脱ステロイド療法


「脱ステロイド」の本来の意味とは、アトピー性皮膚炎の症状が改善傾向にないのに現在治療に使用中のステロイド外用剤を中止して、ステロイド外用剤を使用せずにアトピー性皮膚炎の症状をコントロールする方法のことである(そのため、症状が改善してきたためステロイド外用剤を中止して経過をみるという行為は、「脱ステロイド」と称するのは不適切であろう)。
ステロイド外用剤は非常に高い有効性を持つ薬剤であるが、特に重症例では正しく医師の指導の下に使用していても十分に症状を抑えられない例や、長期の連用により皮膚萎縮、接触性皮膚炎、二次感染といった副作用をきたす例が存在する[18](ステロイド皮膚症の項参照)。 このような症例において副作用から脱却したり、ほかの治療法を模索するといった過程で脱ステロイド療法が行われることがあり、実際にそのようなケースに限ってはステロイド剤の中止が有効であったという報告もある。
しかし当然ながら、このような治療法に踏み切るためには、現在のステロイド外用剤による治療が効果をもたらしていないのかを慎重に判断する必要がある。

一方で「脱ステロイド」という言葉がアトピービジネスにおいて多々使用されることがある。その理由であるが、アトピービジネスは、他の科学根拠のない代替療法を勧めるため、「ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎を悪化させる」「ステロイド外用剤のリバウンドが続いている」「ステロイドを使用した年月に比例して治療に時間がかかる」「病変部から<毒>が排出されているので湿疹は好転反応である」などの独自理論を説明し、ステロイド剤に対して恐怖を煽り、ステロイド剤を中止させようとする場合が多いためである。
さらに自然主義的観点からプロトピックの使用も是としないことが多い(脱プロトピック)。当然これらの主張に医学的な根拠は無い。このような業者に脱ステロイド療法(およびそのビジネス独自の療法)を指示されて極端に悪化し、かゆみが強く夜も眠れないなど生活に支障をきたしたり、ひどい場合緊急入院という結果となる症例が多数発生し続けている。
少数ながら合併症による死亡例もある。また、アトピービジネスやマスコミによるステロイド剤の恐怖などの誇張した宣伝の結果、治療が難航している患者が自己判断で「脱ステロイド」を行い、症状が急激に悪化するという悲劇的な2次的被害もみられる。一時期、社会問題になったこともあった。

以上のように科学的根拠のないステロイド害悪論に基づいた「脱ステロイド」は危険であり、実施するに当たっては実際の病態がステロイドの副作用によってもたらされているのかを多数の医師とよく相談して判断した方が良い。その際、プロトピック軟膏やPUVA療法、シクロスポリンといった他の治療に切り替えながら様子をみることが多いので、それに関しても医師と十分に相談すべきである。

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